CarPlay / Android Autoとは?
スマホの機能を運転中に適切に使えるようにするために、それぞれのOS製造メーカーのApple、Googleが定めた規格です。
スマホ画面の単なるミラーリングとは異なり、画面レイアウトや操作は運転用に最適化され、画面にタッチしなくてもリモコンと音声だけで一通りの操作ができるようになっています。
また運転中にはふさわしくない、動画やゲームアプリ等は使えないようになっており、気を散らさず運転に集中することができます。
▼CarPlay
▼AndroidAuto
特長1:UIを運転用に最適化
スマホの画面や操作は、通常はタッチパネルに直接触れて操作しますよね。
しかしこれだと、運転中には操作しにくいというかほぼ操作不可能。実際に試してみると分かりますが、運転しながらだと狙ったアイコンをタップするだけでも至難の業です。スマホ画面をしっかり見ないと操作が行えず、この時点で道路交通法違反になる可能性も。
これがCarPlay/AndroidAutoだと、ステアリングに付いているリモコンボタンで操作することができます(車両純正品またはステアリングリモコン付きCarPlayデバイスの場合)。ですからステアリングを両手でがっちりホールドしたまま操作することが可能。画面はちらっと見る程度でもある程度の操作が可能です。
また音声操作(Siri/Googleアシスタント)の呼び出しも、リモコンのボタンで一発。「Hey Siri」等の掛け声不要ですし、また「Hey Siri」はスマホのマイクで受信する仕様のためにカバン等にスマホを入れていると呼び出しできないことがあるのですが、ボタン操作ならそのような問題も起きません。
またCarPlay/AndroidAuto用アプリの画面レイアウトも、この運転中の操作を行いやすいように再構成されています。
運転中はスマホを直接触る場合に比べ、どうしても画面からある程度距離が離れてしまいます。また運転しながら見ることを考えると、画面いっぱいに様々な情報を詰め込むよりも、必要な情報に絞って見やすく表示する方が見やすい。
CarPlay/AndroidAuto用アプリは、このような運転中の操作を前提に画面が再構成されています。またタッチ操作も行いやすいようにアイコンもスマホ用より大型化されています。
特長2:使えないアプリがある
これは長所とも短所とも言える点です。CarPlay/AndroidAutoでは、Youtube等の動画アプリやゲーム等のアプリは規格として対応していません。
これはCarPlay/AndroidAutoが運転中の操作用の規格であることを考えれば、当然のことと言えます。これらの運転中には不適切なアプリが使えないことで、気を散らさず運転に集中することができます。
しかしこれは、例えば運転中だが子供には動画を見せておきたいという状況では使えませんね。また動画やゲームでなくても、CarPlay/AndroidAutoに未対応のアプリは使えません。
しかしこれは抜け道というか、解決策があります。
特長3:スマホでマルチディスプレイが可能に
前述の通り、CarPlay/AndroidAuto使用時はYoutube等の動画アプリは使えません。しかし抜け道があります。
なんとCarPlayでは、ナビアプリをCarPlay画面に出した状態で、同時にYoutubeをスマホ画面に表示させることができるのです。もちろんYoutube以外の、ゲームやWebブラウザ等のスマホで使えるアプリは基本的になんでもOKです。またCarPlay側ではAppleマップ、スマホ側ではGoogleマップを表示させるといったこともできます。
▼スマホでYoutube動画、CarPlayでGoogleマップを同時表示させている様子
つまり、CarPlayを使うとスマホで簡単にマルチディスプレイ化ができてしまう!ということです。
しかも単なる2画面化だけではなく、スマホとCarPlay画面が見事に連動します。例えば面倒なナビの行先はスマホで入力すればそのままHUDにも反映されます。音楽もHUD側で指定しなくても、スマホ側で選択し再生できます。
この2画面連動機能は実際に使うととても便利で、もうこれだけで普通のカーナビよりもCarPlayを使う価値があると言っても過言ではありません。
たとえばスマホでGoogleで近くの店を検索して、そこからそのままGoogleマップでルート案内。「ナビ開始」をタップすれば、そのままCarPlay画面でのナビ案内が始まります。いちいちお店の名前や住所を入力する必要すらありません。
ただしAndroidAutoでは、このマルチディスプレイ化は制限があります。たとえばマップアプリをAndroidAutoデバイスで表示させていると、スマホ側での操作はできません。このマップ連動は非常に便利なので、AndroidAutoでも早く対応してほしいものです。
CarPlay/AndroidAutoの問題点
便利なCarPlay/AndroidAutoですが、ひとつ大きな弱点があります。
これは実際に使ってみないとなかなか気付かない点ですが、、、画面を同乗者にもろに見られてしまうということ。
想像してみてください。
家族や恋人との楽しいドライブ中、不意に異性からの電話やLINE通知が来て、それがCarplay画面に大写しになったとしたら?
グーグルマップで検索しようとしたら、昨晩行ったお店の名前が検索履歴としてCarplay画面に表示されてしまったら?
大型タッチパネル式のCarplay/AndroidAutoでは、こんなことが実際に起こります。しかも自分が運転している最中に、同乗者がタッチパネルを勝手に操作して、いろんな情報を見てしまう可能性すらあります。止めたくても運転中ではそれも難しい。
特にやましいことなどない人でも、スマホには人目にさらしたくない情報の一つや二つあるのが普通ではないでしょうか。本来プライベートなスマホの情報を、ある程度パブリックな車内空間で同乗者とも共有する仕組み上の矛盾が、現状のCarplay/AndroidAutoの最大の問題点と言えます。
ただし、解決策としては2つあります。
- CarPlay/AndroidAuto時の通知表示を停止
- 運転者からしか見えないCarPlay/AndroidAutoデバイスを利用
通知表示を停止する方法
たとえばCarPlayでLINEの通知を停止したい場合は、iPhone上で下記の操作を行います。
設定の「通知」-「LINE」-「CarPlayに表示」をオフ
この操作を、電話やFaceTime等の見られるとちょっと心配、というアプリすべてに行います。ただしアプリが新規追加された場合はデフォルトで通知オンになっていますから、その都度この操作が必要になります。
ただし実はこれだけでは対策は万全とは言えません。たとえばGoogleマップでは、 過去のマップ検索履歴が残っており、直前のものがデフォルトで表示されてしまいます。また運転中のナビ検索履歴だけでなく、普通の徒歩や電車移動の履歴も残っています。
つまり休日に家族ドライブだ!と張り切ってルート検索しようとしたら、昨晩飲みに行ったお店の名前がどーん!と表示されてしまう可能性があるということ。背筋が寒くなりますね笑
また先述の通知オフの操作は、同乗者がいない場合には逆に不便です。しかし運転のたびにオンオフしていると、操作忘れや間違いも起きるでしょう。
運転者からしか見えないCarPlay/AndroidAutoデバイスを利用
やはり根本的な解決策としては、CarPlay/AndroidAuto画面を運転手以外からは見えないように設置することです。
一般的な液晶ディスプレイ表示式のCarPlay/AndroidAuto端末ではこのような設置はほぼ不可能ですが、HUD-2023のようなHUD方式でしたら可能です。
HUD-2023のスクリーンは凹面鏡構造になっているため、視野角が狭く運転席以外からは見ることが難しいようにつくられています。特に助手席からはまず見ることができません。
このため、同乗者にスマホ内の情報を見られてしまうリスクが非常に少なくなっています。また操作もステアリングのリモコンですから運転者にしかできません。同乗者を気にせず安心して使うことができます。
「同乗者にナビの行先入力をしてほしい場合もあるんだけど?」
問題ありません。スマホをワイヤレス接続して、その時だけスマホを渡して入力してもらえばいいのです。
CarPlayとAndroidAutoではどちらが優れている?
これは一長一短あるのですが、2023年初頭時点では総合的にCarPlayのほうが優れていると思います。
画面もCarPlayのほうが美しいですし、操作性もCarPlayの方が上です。AndroidAutoでは画面上部と下部が別々の操作系になっており、タッチ操作でないダイヤルやカーソル移動では操作が面倒です。この点はiPhoneとAndroidの操作性の違いと同レベルの差が感じられます。またCarPlayでは先述したようにスマホとCarPlay間のマルチ画面対応も非常に完成度が高くなっています。
またCarPlayはマップとしてAppleマップ、Googleマップ、Yahooカーナビと多く揃っているのに対し、Android AutoではGoogleマップの他はカーナビタイムくらいしかありません。これは2021年までAndroidAutoではGoogleマップ以外のナビアプリを許可していなかったことが主な原因です。
ただし音声アシスタントについては、SiriよりもGoogleアシスタントの方が優秀です。これはGoogleアシスタントがGoogle検索の膨大な情報を元にしているためと思われ、あいまいな情報例えば「スパイファミリーのオープニング曲をかけて」といった指示でも見事に適切な曲を流してくれます。これがSiriですととんでもない曲を出してきたり「見つかりません」と言われることもよくあります。